ある日、警察に1人の女が交通事故の重要参考人として呼ばれる。彼女は「ニュース9」を看板番組とする韓国のトップアナウンサー、コ・ヘランだ。事故の1か月前、ジャーナリストの賞を受賞したヘランだったか、後輩ハン・ジウォンからトップの座を脅かされていた。華やかな姿とは裏腹に、私生活では認知症の母を抱えて苦しみ、夫との関係も冷え切っているヘラン。追い打ちをかけるかのように「ニュース9」から降板するよう命令される。

ヘランが空港でぶつかった相手こそ、謎に包まれた注目のプロゴルファー、ケビン・リーだった。彼がヘランの元恋人であり、その妻が旧友ソ・ウンジュであることに困惑するヘラン。その頃ヘランの母が息を引き取り、ヘランは葬儀場へ。「ニュース9」にはヘランの代役としてジウォンが抜擢される。視聴者の反応も上々と聞いて苛立ちを募らせたヘランは、トップの座を取り戻すため、ウンジュを通してケビンに単独インタビューを申し込む。

7年前。ヘランはテウクの子を中絶し、「ニュース9」のキャスターになることを優先した。駆け出しの記者ヘランを見染めたテウクと、テウクに興味を抱いたヘランの初々しい姿は、既に遠い過去のものとなっていた。そうまでして伸し上がってきたヘランが、極秘で大統領府の報道官の候補に挙がる。一方、ケビンはテウクと出会い、ヘランとの間に何かあるかのように匂わせながら、スキャンダルが許されないヘランの前途を阻もうとする。

関係をやり直そうとして、テウクがタイまで来てくれたと思ったヘラン。しかしテウクの目的は、その肩書きでヘランを後押しするという昔の約束を守るためだった。タイから帰国後、テウクは家を出て行く。ヘランがタイのホテルでケビンといた時に落としたブローチが原因だった。ケビンがブローチを拾ってテウクに何かを吹き込んだと気付いたヘランは激怒する。ヘランは、共に奈落の底に落ちてもいいのかケビンを脅すが、ケビンは動じず…。

ケビンの事故の他殺説が出ると、容疑者としてヘランが疑われ、たちまち社内でヘランとケビンが男女関係にあったのではないかとのスキャンダラスな噂も広まる。「ニュース9」から外されたヘランはチャン局長に猛抗議するが、自宅待機を命じられる。さらに、ケビンの車内にヘランのブローチが落ちていたことから、テウクまでもヘランとケビンの関係を疑い出す。しかし事故当日、実際ヘランはケビンと、ヘランの車内でキスを交わしていた。

カン刑事はヘランを頑なに疑うが、ケビンを解剖しても事故か他殺かの可能性は五分五分という曖昧な結果に終わる。警察側もその均衡を破る何かがなければ、事件を検察に送致することはできない。一方、ウンジュは世間の噂に耐え切れず、アメリカに戻りたがっていた。それを後押ししようとするヘラン。しかし、ウンジュが自宅の荷物を整理していると何かのチップが出てくる。それは事件の証拠となるヘランの車載カメラのデータだった。

ヘランとケビンの関係を知ったウンジュはヘランに復讐しようと、ケビンのスポンサーからの違約金訴訟の弁護をテウクに頼んだり、テウクを自宅に招いたりして接近する。ヘランは、ケビンのマネージャーから、金と引き換えに、タイのホテルで撮られた写真データを受け取ろうと待ち合わせをする。だが、そこに現れてデータをこっそり渡してきたのは、ヘランの高校時代の友人で出所したばかりのハ・ミョンウ。当時からヘランには秘密があり…。

ケビンの事件が検察に送致される。するとテウクは、韓国の司法とマスコミに絶対的な権力を持つゴールドムーン・クラブのメンバーであり、カンユル法律事務所のカン代表に対し、カンユル法律事務所に復帰すると告げる。すべてはヘランをバックアップするためだ。ヘランは報道官に内定し、「ニュース9」を降りることに。その頃、ジウォンはファニル鉄鋼とカンへ建設の癒着について暴こうとしていた。しかし、チャン局長はそれを止める。

ヘランが、ケビン殺害容疑で緊急逮捕される。検察の執拗な取り調べにも一歩もひるまずに孤独に立ち向かうヘラン。放送局にも捜査の手が及び、ヘランに関係する資料が押収される中、ジウォンが機転を利かせて同期のギソクと共に、カンへ建設の入札の映像を守ろうとする。その頃、テウクはヘランの元同僚・ユン記者と会っていた。ユン記者は、今回の逮捕は、ファニル鉄鋼とカンへ建設の不正を報道したことによるこじつけ逮捕だと主張する。

ヘランが釈放される。今回の緊急逮捕の背後に、ファニル鉄鋼とカンへ建設、そしてチョン議員らが潜んでいることに気付いているヘランは、まずはチョン議員からつぶすと、チャン局長に宣言する。ジウォンとギソクに協力してもらい、チャン議員の買春現場を押さえようとするヘラン。しかし、その計画が放送局の副社長にばれてしまう。副社長は、ケビンとジウォンの密会写真の流出を止めた件を蒸し返して、ジウォンを止めようとする。

ヘランはテウクに過去の秘密を語り出す。18歳の頃、貧しかったヘランは進学する費用が必要だった。ある日、ヘランが街の宝飾店の店主から金を借りようとしたところ、性的暴行に遭いそうになる。ヘランが暴行されたと思ったミョンウが、店主を殺してしまっていた。何もなかったにもかかわらず、ミョンウが信じてくれなかったことで殺人事件になってしまったと自分を責めるヘラン。テウクは、ヘランを疑ってしまったことを深く後悔する。

起訴されたヘランを弁護するために、テウクはカンユル法律事務所に移籍していた。目撃者も現れ、裁判は厳しい争いになるだろうとテウクは予想する。その頃、カン刑事は、目撃者が現れて自分が有利になったにもかかわらず、どこか釈然としない思いにかられていた。ヘランを誘って飲食店に来たテウクは、ヘランがカンユル法律事務所に弁護を依頼した理由も、次に誰を狙っているのかも分かると言いながら、ヘランを守る決意を固くする。

事件の目撃者オ・ミンチョルは、ケビンを壁に打ちつけたのは男性で、その現場にヘランもいたと証言する。しかしギソクは、今頃になって目撃者が現れたことに疑問を感じ、ジウォンは、オが以前、ヘランによって不正入試を摘発された高校の校長だったことに気付く。偽証の可能性を疑う2人。ヘランの尋問中、ピョン検事が提出した証拠によって、ヘランはケビンと同棲した仲だったことを認めざるをえなくなり、テウクもそれには反論できず…。

第一審でヘランは無罪を言い渡される。ヘランを起訴したピョン検事は、カンユル法律事務所に動かされていたのにもかかわらず、いざ検察側が敗訴に終わると、カンユルのカン代表はピョン検事に対する態度をひるがえす。一方、勝訴したヘランは出社するやいなや、チャン局長にカンユルらの勢力を倒す自信があると宣言。ヘランたちがその作戦を練っていると、ピョン検事の妻のヨンジョンが、夫を助けてほしいとヘランに頼みに来る。

ヘランは、ケビンの事件があった日にテウクが交通違反をしていたことを知り、テウクが真犯人なのではないかと疑い始める。判決後も真相を追い続けるカン刑事は、事件の日の早朝、始発のバスに乗った男がテウクだと推測するが、肝心の証拠をつかむことができない。カン刑事はヘランに、真犯人が案外近くにいる可能性があることを匂わせ、ヘランはますます懐疑的になる。不安で酒を飲まずにはいられないヘランは酔いつぶれ…。

とうとうテウクがヘランに真相を告白する。カッとなった拍子にケビンを壁に打ちつけ、ケビンを死に追いやってしまい、すべてを隠してしまったと…。絶望するヘラン。偶然、ヘランの前に現れたウンジュは、ケビンもテウクもミョンウも、すべてヘランのせいで不幸になったと毒突く。ウンジュの言葉に深く傷ついたヘランの前にミョンウが現れ、まるでヘランの胸の内が分かるかのように、「お前のせいではない」と慰め、ヘランに別れを告げる。