(1)総論:IVについて色々と考えさせられた作品です。一言で、ドラマのようなIVです。作品の嗜好が合う人には癒されると思います。ただ、個人的には合いませんでした。映画、ドラマのようなIVは、どうしても真顔で観てしまいます。監督さん、女優の萌美さん、竹書房さんに対する批判は一切ありません。こうした作品も立派なコンセプト、演出の一つです。単純に僕個人の嗜好に合わなかっただけで、多様な嗜好を持つ人がいる今の世の中、映画、ドラマのような展開のIVが好きな人にはオススメします。(2)竹書房さんへ気持ちよく感情移入、興奮できるように焦点を当てたような作品の感じの方が好きです。今回のこの作品は遠距離恋愛をしている恋人か愛人同士の旅行のような設定ですが、こうしたテーマでもエンタメ的でソフトな感じで観てみたかったです。あえて言えば、最後から2チャプター目の白い衣装を着た萌美さんがセリフ付きでビールを注いでくれるチャプターはすごくよかったです。ですが、他のチャプターでは少し淡々とグラビア映像が流れている感じで、やはり真顔で観てしまいます。グラビア鑑賞というより芸術鑑賞に近い感覚です。エンタメというより教養になってます。たとえば、同様のテーマで竹書房さんだと・青科まき「秘密旅行」(竹書房、2020年11月)は最近観た中で過激でもなく、かといって癒されるのにちょうどいいグラビアDVDで本当に良かったです。片山萌美さんでもこんな感じで観てみたかったです。セリフや各チャプターの連結性ももう少しあるとよかった。(3)萌美さんへ萌美さんは本当に素敵で輝いていますが、IVの分野ではもう少し表情や仕草、セリフの積極性があるともっと良くなると思います。演技力にはドラマ、映画に求められるような演技力と、エンタメ的でソフトな演技力の2つがあります。この2つの演技力は意識して使い分けるともっと良くなります。女優の萌美さんももちろん素晴らしいです。萌美さんはグラビア以外の実際の刑事ドラマ「警視庁強行犯係 樋口顕」に藤本由美役で出演されています(片山さんのファンなので観ています)。ただ、ドラマはドラマでグラビアとはまた違う演技力が求められるので、グラビアでちょっと積極的な感じでの演出がしにくいかなという印象です。これからも応援しています。