前作から約4ヶ月、わりと早いペースで発売された本作。今回のテーマは「人妻」。明確にこのテーマを打ち出したのは、初めてではないだろうか(「昼顔」は結局創作だった)。後ろ暗いところのないテーマとあって、まいぷりん本来の屈託のない明るさが前面に出た、大方さわやかな一編。新婚夫婦のある一日(おそらく休日)を追ったものと考えていいだろう。ここでも、冒頭からまいぷりんワールドに引き込まれる。そして本作でも、まいぷりんは決してこの世界から逸脱しない。確かにチャプター3は、今まで見たことのないまいぷりんではあるが、それでも逸脱するまでには至らない。もう、これが西田麻衣という人なのだ。そう思って観たほうがいい。まいぷりんらしさが最も発揮されてるのが、チャプター7から最後にかけてのところか。これは順番的にも、おそらく終盤に撮影されたものと思われる。この頃になると、撮影にもだいぶ馴染んできて、まいぷりんらしさを遺憾なく発揮できたのだろう。リラックスしたまいぷりんが見れる。この人は以前から、いざその世界に入り込むとガラリと変ぼうするところがあるが、その点は少しも鈍っていない。前作は、どうしても中途半端な感が拭えなかったが、今作は充実した、西田麻衣の成熟がうかがえる、好感の持てる一作だと私は思う。これからの西田麻衣の、一つの方向性を示すものとして評価したい。続編をつくることも可能ではないだろうか。