監督:アミノテツロー。TV版の物語から1年後を描いたOVA。人びとの「ファイアーボンバー」熱に疑問を感じたバサラは失踪し、銀河クジラの回遊する惑星ゾラにたどりつく。みどころは、宇宙にクジラという驚異の映像と、辺境惑星の文化。ラジオ放送という小道具の使い方が面白く、伝説の白鯨に挑む巨人とその娘少女エルマの行動もたくましくパワフルで楽しい。バサラの熱唱が状況と人の心を変えていくというドラマ構造はここでも健在だ。エンディング映像は当時急進歩を始めたCGで河森正治の撮った実景とアニメを合成、大自然の中で伸び伸びと自分の想いを歌いあげて旅するバサラの姿は本編のテーマにも強くリンクしている【アニメ評論家 氷川竜介】