スーパーロボットが活躍する作品では、どこまで大風呂敷を広げられるかという部分に楽しみの中核がある。本作も研究所と怪獣ロボが戦うロボットアニメの古典から離れ、全人類と巨大宇宙生命体の戦いを描いた地球規模の壮大なる戦闘叙事詩にスケールアップ。早乙女博士が悪役に回ったりするなど、あらゆる手を使って予想をくつがえし、観客の度肝を抜き続けていく。特筆すべきは原作のテイストを活かしたキャラクターデザイン。そしてマントをたなびかせながら鮮やかに滑空するゲッターの勇姿と、ここまでやるかと感服する凄絶なバトルシーンだ。「真」と書いて「チェンジ!!」と読ませるなどケレン味もたっぷり。頭のタガを外して楽しんで欲しい。【アニメ評論家・氷川竜介】